クロアチアのメジャーな観光地まとめ

 
クロアチアはインバウンド観光大国。地中海で最も観光客が多い国の 1 つで、なんと GDP の 20% を観光業が叩き出しています!

概要

クロアチアは、国土面積で言うと日本の 15% ほどの大きさの国ですが、その国土に次のような見どころが詰まっています。

  • 世界遺産 10 件(※うち 3 件は複数国にまたがる世界遺産)
    • 日本の世界遺産は 25 件
  • 自然保護区 444 ヶ所(※下記含む。全部で国土の 9% 程度に相当)
    • 国立公園 8 ヶ所
    • 厳正自然保護区 2 ヶ所
    • 自然公園 10 ヶ所

今回はそんなクロアチアの(割と)メジャーな観光地とをざっくりまとめて(&観光地としてはマイナーでも、超絶おすすめなところも少しいれて)いきます!
※まとめでは魅力が伝えきれないため、これから少しずつ、各地の詳細記事も追加していく予定です。

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中央クロアチア

ザグレブ(Zagreb)

  • クロアチアの首都
  • ハプスブルク帝国時代の雰囲気と共産主義時代の雰囲気を両方感じられる街並
    • オリエント急行も復活!
  • クロアチア中の食べ物や飲み物が集まってくるので、様々な地方の名産が、下手に観光地化が進んだ本場よりもリーズナブルな値段で手に入ったりする
  • 美術館や博物館が多い
    • 壊れた人間関係博物館(※日本だと『失恋博物館』と訳されている事が多いですが、失恋だけではなく、もっとずっと深い内容なのです)、コンテンポラリーアート美術館、ナイーヴアート美術館、モダン・ギャラリーなど個性的で面白いところが盛りだくさん
  • クラフトビールのブルワリーが多い
    • パブクロール(パブはしご)ツアーやワインテイスティングツアーなども豊富

ヴァラジュディン(Varaždin)

  • バロック様式のトラコシュチャン城で知られる
  • ハプスブルク時代の建物が並ぶかわいい旧市街
  • 近くに温泉が何箇所かある(スパがたくさんあります)
  • 17 世紀に建てられたお屋敷(Zakmardy Palace:ザクマルディ・パレス)の地下にクラフトビールが飲めるパブがある
  • 非常に素晴らしいアイスワインを生産しているワイナリーが周辺にいくつかある

リエカ(Rijeka)

  • 2020 年「ヨーロピアン・キャピタル・オブ・カルチャー」開催地
  • イタリア系国家の統治下にあった時代が長く、イタリア名を『フィウメ』という
    • クロアチアの歴史まとめ』の『世界大戦』のところに記載のある『領土問題』のキーとなったのがここリエカ
    • クロアチアの中でもユニークな歴史のある街で、言語の面でも、ヴェネト語から派生した「フィウメ方言(Fiuman)」という独自の言語がある
  • ローマ帝国時代の建築と後世のバロック様式の建築が混在する美しい旧市街
  • 中央市場の魚セクションがアールヌーボー様式で荘厳
    • 外壁の色は印象的なパステルグリーン
    • 内部も大変美しく、繊細な装飾の施された美しいホールに魚が並ぶ光景がシュールなのでオススメ

プリトヴィツェ湖群国立公園(Nacionalni park Plitvička jezera)

  • ユネスコ世界遺産
  • クロアチア最古の国立公園
    • 国立公園全体の面積は 300 km2 もあり、観光地として一般公開されている、湖や滝のあるエリアは全体のたったの 1%!
  • ザグレブから日帰りでも行けるものの、とにかく大変美しい上、一般公開されている部分だけでも 1 日で回りきるのは無理な広さなので、ハイキング好きな人は泊まってじっくり回るのがオススメです

ラストケ村(Rastoke)

  • スルニチツァ川とコラナ川が交わる場所にあり、プリトヴィツェとよく似た雰囲気の滝や川のところにかわいらしい民家が並ぶ、おとぎ話からそのまま出てきたような村
    • 妖精伝説がある → 見た瞬間「これは間違いなく妖精いますね」と納得いくくらい綺麗でかわいい
  • 人間一人当たりのネコの数がクロアチアで一番多く、「ネコの町」とも言われる

カルロヴァッツ(Karlovac)

  • 観光地としてはメジャーではない(むしろマイナー)ですが、星形要塞が街になっているので、ヨーロッパの城好き、要塞好きにはとってもオススメ
    • ドゥボヴァツ城という、小さいけれど味わい深い素朴なお城もあります

プレシヴィツァ(Plešivica, Jastrebarsko)

  • ザグレブから車で 40 分くらいのところにある、クロアチアで一番しられたスパークリングワインリージョン
    • なだらかな丘が続いてとても綺麗なので、ワイナリー巡りなどもオススメ
    • 観光地としてはマイナーです(でもオススメなのです)

スラヴォニア

オスィイェク(Osijek)

  • スラヴォニア最大の都市
  • クロアチア最古のビール会社(1697 年創業)、オスィイェチュコ
  • ネオ・ゴシック様式の、赤い外壁がとても美しい聖ペテロ&聖パウロの共同カテドラル(コカテドラル)
  • ドラヴァ川にかかる巨大な(※210 m)歩行者用吊橋
  • 旧市街に 2 つ要塞がある
    • 大きい方は星型要塞 兼 オスィイェク旧市街で、ここからオスィェク市街に地下トンネルが張り巡らされているという噂がある
    • 小さい方は『王家の要塞』とも『カタコンベ』とも呼ばれる、石造りの小さなドームがつながったような特異な見た目の要塞で、今はイベント会場として使われたりしている
      18 世紀ごろの資料を見る限り大きい方の星形要塞の半月堡だった(またはそういうふうにリノベーションする予定だった)ようですが全くそれを感じさせない見た目

ヴコヴァル(Vukovar)

  • クロアチア独立戦争の激戦地
    • 爆撃された弾痕が残る水道塔が今も残されている
    • ヴコヴァルの虐殺の記憶を今に伝えるオヴチャラメモリアルセンター
    • 透明な屋形船のようなウォーター・バスに乗って観光できる

ジャコヴォ(Đakovo)

  • ネオロマネスク様式の聖ペテロカテドラルバシリカ
    • 赤レンガの外壁も内装もたいへん美しい
  • 公立スタッドファーム(馬を育てる牧場)
    • 1506 年に創立されたヨーロッパでも最古クラスのスタッドファーム
    • リピッツァナー(という種類の馬、白毛が多い)の生産で有名
    • クロアチア最大のスタッドファームで、インドアの馬場も最大

コパチュキ・リット(Kopački Rit)自然公園

  • ドラヴァ川とドナウ川の合流地点あたりに広がる、ヨーロッパ最大の未開発の湿地帯
    • のどかで綺麗
    • 湿地好きな人にはたぶん相当たまらないはず
    • ハプスブルク帝国時代からハンティング(狩猟)が行われていることで知られるティクヴィシュ城もある

ワイナリー(たくさんあります)

  • イロク(Ilok)やクティェヴォ(Ktjevo)あたりを中心にドナウ川流域と平原部に多数ワイナリーあり
    • お城巡り(ハプスブルク時代のきれい&かわいいお城がけっこうある)と合わせてワイナリーも一緒にめぐると相当楽しいです

イストラ

ロヴィンユ(Rovinj … 一般的には『ロヴィニ』)

  • クロアチアの人が「一番好きな街」としてあげがち
    • 「かわいいし、雰囲気がいいし、素敵なカフェも多いし、歩いているだけで幸せな気持ちになる」そうです
    • イタリア的(※長い間イタリアだったので)なカラフルな外壁が続いて、確かにとてもかわいい
  • 聖エウフェミア教会
    • ロヴィンュと言えばここの写真が絶対出てくるほど有名
    • 鐘楼(ベルタワー)登れます → 階段が木造でスリルも楽しめます

プーラ(Pula)

  • 非常に保存状態のよい円形闘技場始め、ローマ時代の遺跡がてんこもりの旧市街
  • プーラ市内や近郊にローマ時代から近代までの間に作られた要塞がたくさんあり、それが水族館になっていたり博物館になっていたりする
  • 周辺に素晴らしい景観のビーチ(崖系ビーチ)がたくさんあり、ひたすらのんびりできる

モトヴン(Motovun)

モトヴンは日帰りする人が多いのですが、濃霧が発生しやすい地形なので、朝一に旧市街から下界を見下ろすと幻想的な雲海を満喫できます

  • 「天空の町」と言われる、小高い丘の上に乗っかった旧市街
  • ワインとオリーブオイルで有名なイストラの中でも特に素晴らしい産地として知られる
  • 周りの森でトリュフが採れる

フム(Hum)

  • 人口 30 人、大きさは 100 m ✕ 30 m しかない『世界一小さい村』
  • フムスカ・ビスカ(Humska Biska)という、ヤドリギで作るブランディがある!!

トレイル(トレッキングコース)※複数

  • 海沿いはトレイルの宝庫。地図などは観光案内所で無料でもらえることが多い
  • 2CELLOS ファンの方はぜひ Stjepan Hauser Trail へ

洞窟 ※複数

  • 特にオススメなのはパズィン洞窟
    • 崖の上にお城があり、崖の下には洞窟があり、近くには滝もあるというワクワクが詰め込まれた場所

海岸沿いの歴史的な港町 ※複数

  • ポレチュ(Poreć)
    • 『ポレチュ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教建造物群』として世界遺産登録
  • ウマグ(Umag)
    • テニス『クロアチア・オープン』開催地
  • ノヴィグラド(Novigrad)
    • ビーチクラブなどでの(クラブイベント的な)パーティーが人気
  • メデュリン(Medulin)
    • 家族連れでも楽しめるビーチが人気

ダルマチア

スプリット(Split)

  • ローア皇帝ディオクレティアヌスの引退後の宮殿
    • 宮殿がスプリットの旧市街になっている → ユネスコ世界遺産
    • 世界で最も保存状態がよいローマ時代の遺跡の一つ
    • 『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地
      • 郊外にあるクリス要塞も同じくロケ地
  • 今も発掘作業継続中。貴重な遺物が続々出土中
    • 近郊にあるディオクレティアヌス帝の出身地とされるソリン(当時の名前はサロナ)も歴史好きにオススメ
  • ザグレブに次いで大きな都市なので美味しいものやおしゃれなものが集まっている
  • すぐ近くのブラチュ、フヴァル、ヴィスなどへの日帰りツアーも充実
    • 『青の洞窟』『緑の洞窟』などもある

ドゥブロヴニク(Dubrovnik)

  • 1358 年から 1808 年まで『ドゥブロヴニク共和国』という都市国家だった
    • 旧市街はドゥブロヴニク共和国の首都 → ユネスコ世界遺産
    • 1667 年に大地震により壊滅的な被害を受けており、今の旧市街の大部分はその当時に再建されたもの
    • 日本ではスタジオ・ジブリの『紅の豚』や『魔女の宅急便』に登場する町を思い起こさせることで知られ、世界的には『ゲーム・オブ・スローンズ』や『スター・ウォーズ エピソード 8』のロケ地であることで知られる
      • 旧市街を始め、『ゲーム・オブ・スローンズ』ロケ地が周辺に大量にあり、ロケ地巡りツアーが大人気

ザダル(Zadar)

  • 町の基礎がローマ時代に作られていて、遺跡だけでなく、町の作りや道路の配置などにも当時の痕跡が見て取れる
  • 悪名高い第 4 回十字軍に、同じキリスト教国で味方なのに(※当時はハプスブルク)襲撃&略奪された → 十字軍がローマ法王に破門されるきっかけとなった
    • クロアチアの歴史まとめ』の『ハンガリー王国アールパード朝』のところにその前後の流れがちょっとだけ書いてあります
  • ローマ時代から続く各時代の遺跡や芸術、建築のみならず、現代のアートも一体化した町 → クロアチア含むヨーロッパでは「ザダル = アーティスティックでちょっとクール」という印象を持つ人が結構多い
    • 旧市街の海際の護岸部分が超巨大ハーモニカになった『シーオルガン』なども有名

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ザダルのシーオルガン

シベニク(Šibenik)

  • シベニクは海峡によって外海から隔てられた湖のような内海に面する都市 → 風景や雰囲気が独特で素敵
  • 一つの都市に 2 つ世界遺産がある
    • 聖ヤコブ大聖堂
    • 聖ニコラス要塞 (※『16 – 17 世紀ヴェネツィア共和国の軍事防衛施設群:スタト・ダ・テッラー西部スタート・ダ・マーレ』の一部としての登録)
    • 聖ニコラス要塞は海に浮かぶ半月堡という変わり種要塞。要塞好きには心からオススメ
  • クルカ国立公園のすぐ近く
    • 上述のプリトヴィツェは遊泳禁止ですが、クルカでは水に入って楽しむこともできます

トロギール(Trogir)

  • 旧市街が世界遺産
    • トロギールの旧市街は、トロギール市と橋で連結されたチオヴォ島との間の細い海峡に浮かぶとても小さな島の上にある(これも橋で連結されている)
    • 旧市街の端の海際にサッカーフィールドがある(最高)

オーミシュ(Omiš)

  • 高い崖の間を流れるツェティナ川の河口の町
    • 崖に加えて、外海とオーミシュの間にいくつも島があり艦隊でのアクセスが難しいので、大航海時代には海賊の根城として悪名を轟かせた
    • 海賊も使ったという小舟、ラジャ(lađa)を使ったレガッタレース(※ツェティナ川で開催)があり、世界からボート競技好きが集まる
  • 海ではパラグライディングとカヤッキング、山ではクリフクライミング、ジャンプ、ジップライン、川ではラフティングとカヤッキングが楽しめるアウトドア派の天国のような場所

マカルスカ(Makarska)

  • ビオコヴォ山地を背にし、目の前にはブラチュ島とフヴァル島が浮かぶ変化に富む地形
    • 海、山の遊びが全部一気に経験できる
    • ビオコヴォには最近スカイウォークという足元が透明の展望台もできた
  • そこそこ大きな町があり、ナイトライフもそれなりに充実
    • ゆっくりできてしかも飽きないバカンスが堪能できるため、(上述のオーミシュと並んで日本での知名度は低いが)ヨーロッパからのリピーターがとても多い
  • 周辺に世界的に有名なインスタ映えスポットがいくつかあり、インスタグラマーにも人気

ペリェシャツ半島(ストン含む)

  • ストン(Ston)
    • 山の斜面に作られた変則的な星型要塞
    • ローマ時代から変わらない天日塩づくり
    • お隣の村マリストン(Mali Ston)が牡蠣やムール貝の超有名産地
  • ペリェシャツ(Pelješac)半島全体
    • ダルマチア最高にして至極の赤ワインリージョン
    • ワイナリーだらけ → ワイナリー巡り超楽しいです
    • これまで飛び地だったが、最近、橋でクロアチア本体とつながった → 今後環境の激変が予想されるので、行ける方はぜひ早めにここの素朴な素敵さを味わいに行ってください!

アドリア海に浮かぶ島々

アドリア海に浮かぶ島々では、各島ごとに個性的な風景や文化を楽しむことができ、島巡りがとても楽しいです。
また、いくつかの例外を除き、ある程度のサイズの島はほぼ土着ワインのマイクロワインリージョンでもあるので、世界の他のどこにもない(しかも美味しい)ワインを堪能できるのも魅力。

  • パグ(Pag)島
    • クロアチアの島の中では例外的な砂漠(※主に石灰岩ですが…)のような島
      • ここ本当に地球?と思いたくなるような独特の景観が大変おもしろい
    • 限られた緑地も塩害のためハーブなどが中心 → これを食べて育つ羊の肉とチーズが世界的に高評価
    • ユーロビート系のクラブイベントが多数開催されるパーティーアイランドとしてヨーロッパのパリピの間でかなり有名
  • ドゥギ(Dugi)島
    • クロアチア語では Dugi Otok = 長い島
    • その名の通り大変細長い(長さ 44.5 km、幅 4.8 km)
    • 東端にあるテラシュチツァ自然公園がその先に浮かぶ島々とまとめて『コルナティ国立公園とテラシュチツァ自然公園』として世界遺産暫定リスト入り
      • 細長い島の先端に細長い塩水湖があり、独特の風景がたいへん美しい
  • ブラチュ(Brač)島
    • 『ズラトニ・ラット(黄金の角)ビーチ』『隠者の修道院』『竜の洞窟』など、個性的な見どころがたくさんある
      • ズラトニ・ラット以外は観光地化が進んでおらずとても味がある
    • レベルが高いワイナリーとテイスティングルームもある
  • フヴァル島(Hvar)島
    • 24 世紀もの間農耕が続けられているスタリ・グラド平原 → 世界遺産
    • 高台の上に要塞があり、ここからの眺めが世界のインスタ映えスポットランキングによく登場
    • 素晴らしいワイナリーがたくさんある
    • こちらもユーロビート系のクラブがたくさんあり、パーティーアイランドとして知られている
      • だいぶお乱れになる海外の方が多いため、地元の人には悩ましい部分もあるらしい
  • コルチュラ(Korčula)島
    • マルコ・ポーロ出生の地(※候補とされる場所の 1 つ)
    • 赤ワインが多いダルマチアの中で突出した白ワインリージョン
      • ダルマチアはもとより、クロアチア全土でプレミアムワインとして愛されるポシップの生まれ故郷
    • ドゥブロヴニク空港との間に路線バスがある(※途中バスごとフェリーに乗ってコルチュラに行く)
      • ただしドゥブロヴニクの港から船で行ってしまったほうが安くて早い

日程に余裕があるなら、スプリットからドゥブロヴニクの間の移動を船にして、途中で様々な島で 1 泊ずつするような旅をするのも楽しいですよ!

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