クロアチアワインまとめ

 
古代ギリシャ時代からワイン生産が続いているクロアチア。
変化に富む地形に応じて、各地で特徴の異なるワインが作られていて、飲み歩きも楽しい国なのです!

掘れば掘るほど奥深いクロアチアワインのお話、この記事ではざっくり全体像をまとめます。

クロアチアワイン:概要

クロアチアでワイン生産が始まったのは古代ギリシャ時代。
アドリア海沿岸のダルマチア地方の島々に移住してきてコミュニティを作った古代ギリシャ人達が、ワイン生産をクロアチアに持ち込んだと言われています。

クロアチアは、それから現在まで、なんと 2500 年以上に渡ってワイン生産が続けられている歴史あるワイン生産地なのです。

 
ヨーロッパの他の歴史あるワイン産地の多くと同様、土着のブドウ品種の数、そして家族経営の個性的な生産者が非常に多いのも特徴の一つ。

製法についても、伝統的な手法と最先端の手法が幅広く取り入れられていて、ワイナリーごとの特徴や個性の幅があって、飲み比べを始めると楽しくて止まらなくなってしまいます!

 

クロアチアの年間ワイン生産量は約 45,000 トンちょっと。
2014 年時点で世界第 32 位にあたります。
参照:Our World in Data『Wine Production, 2014

ワインの輸出量の方は、2020 年時点で 1430 万 US ドル。
世界でみると第 47 位で、国内消費の方が圧倒的に多いとは言え、輸出量も年々増加中です。
参照:The Observatory of Economic Complexity『Wine in Croatia

 

クロアチア語のラベル(エチケット)を読み解く

 

クロアチアワインのラベルには、通常、ワインメーカーの名前やロゴと、ブドウの名前が入っていることが多いです。
ただ、一部、EU の原産地名称保護制度の対象となっている特級クラスの栽培地で作られているものについては、栽培地の名前が大きく書かれていることも。

 

 
特に有名なのはペリェシャツ半島にある Dingać(ディンガチ)という村と Postup(ポストゥプ)という村。

これらの村の名称保護は Plavac Mali(プラヴァッツ・マリ)というブドウ対象なので、品種はラベルにかかれておらず、代わりに地名の方が入っています。

ワインのランク

クロアチアワインには、プレミアムからテーブルワインまでの 3 つのランクがあります。
ワインを選ぶ時にはラベルで次の言葉を探してみてくださいね!

  1. Vrhunsko Vino(ヴルフンスコ・ヴィノ):プレミアムワイン → 選ばれしワイン
  2. Kvalitetno Vino(クヴァリテトノ・ヴィノ):高品質ワイン → 普通にいいワイン
  3. Stolno Vino(ストルノ・ヴィノ):テーブルワイン

 

 
『テーブルワイン』は特に売り言葉にはならないので、ラベルにわざわざ入れることは少なめ。
レストランのいわゆる『ハウスワイン』などはこのランクのものを出している事が多いです。

しかしこの『ストルノ・ヴィノ』クラスのハウスワインを何も考えずに頼んで、飲んで、「あれ?何これすごい美味しい!」と思わずメニューを二度見してしまうことがけっこう多いのが、歴史あるワインリージョン、クロアチアの底力なのです…!

甘口、辛口

クロアチアでは辛口(=ドライな)ワインの人気が高いです。
実験も何もしてない体感ですが、売り場で何も考えずに適当に 1 本ワインを選ぶと、大体辛口にあたると言っていいくらい辛口が市場に溢れています。

ただ、そんなクロアチアでも伝統的な極甘ワインや、アイスワイン、甘いワインにしたほうがいい品種などもありますので、甘口、辛口の見分け方も覚えておくとよいでしょう。

  • Suho(スホ):辛口
  • Pola Slatko(ポラ・スラトゥコ):セミスイート、ほんのり甘口
  • Slatko(スラトゥコ):甘口

 

 
ワインの甘口、辛口はワインの中の残糖量で決まります。

ワインを作るためにブドウの果実や果汁を発酵させる時、果汁の中の糖分を酵母が食べ、アルコールと二酸化炭素を排出します。
酵母が糖分を食べ尽くす( = 残糖量がゼロに近くなる)とワインは辛口に、糖分が食べ尽くされる前に酵母をやっつけてしまって発酵を止めれば、残糖量が多いのでワインは甘口になります。

ただし例外的に、デザートワインのような極甘口ワインについては、そもそも果汁に含まれる糖分が桁違いに多い。
そのため、ある程度まで発酵が進むと、酵母が自分が作るアルコールで KO されてしまい、糖分をたっぷり残したまま発酵がそこでストップし、極甘口ワインができあがります。

 
クロアチアでは、ごく少量、極甘口のアイスワインとアパッシメント(陰干し)ワインが生産されています。

アパッシメントはダルマチアの伝統ワインで、名前は『プロシェック(prošek)』。

ダルマチアの外ではほとんど存在すら知られていないワインですが、猛烈に美味しいものがけっこうあるんです。
数十年寝かせたものなどは、世界三大貴腐ワインにも引けをとらないんじゃないかと思うくらいの完成度!

赤、白、スパークリング

クロアチアで一番多く栽培&流通しているのは、爽やかでキリッとドライな白ワインのグラシェヴィナ(Graševina)。
クロアチア北東部に広がる平原で大量生産できるので、手頃なテーブルワインと言ったら十中八九コレ、と言って差し支えないくらい広く出回っています。
(しかし、Vrhunsko Vino になると、なぜか赤の存在感が俄然高まる…!)

さて、そんな赤、白、スパークリングなどのタイプの違いは次の通りです。

  • crno vino(ツルノ・ヴィノ):赤ワイン
  • bájelo vino(ビイェロ・ヴィノ):白ワイン
  • ružičasto vino(ルジチャスト・ヴィノ):ロゼワイン
  • pjenušac(ピイェヌシャツ):スパークリング

 

ただ、クロアチアの方(特に接客に関わる方は)はほとんど皆さん英語ができるので、普通に英語でレッド、ホワイト、ロゼ、スパークリングで大丈夫です。

 
赤ワインを指す『ツルノ・ヴィノ』、実は『赤』ではなく『黒ワイン』という意味。

私達からすると「黒ワインなんだ、おもしろい」と感じるところですが、クロアチアの方が英語で話す場合、逆に「ブラックワイン」と間違って、「…じゃなかったレッド」」と言い直すところを時々見ます。
日本人が「緑信号(※日本以外ではこっちがスタンダード)」を「青信号」って言うような感じで『黒ワイン』なんでしょうかね。

ちなみにロゼの『ルジチャスト』は『ピンク』です。
ダルマチア地方では伝統的にロゼが作られていて、そちらには『オポロ』という別の呼び方もあります。

 

クロアチアでのワインの楽しみ方

歴史ある産地であり、国内のどの主要都市に行っても、その周辺にはほぼもれなくブドウ畑があるクロアチアでは、ワインはとても身近な飲み物です。

さらに、1 日あたりの平均飲酒量でみると、クロアチアはなんと世界第 4 位。
そのクロアチアで一番多く飲まれているお酒、それがワイン!
※参照:World Health Organization (WHO) 『Recorded alcohol per capita consumption, from 2010 Updated May 2021

ワインは食事、特に人が集まった時の食事では必ずと言っていいほど出てきますし、友達同士集まって何か軽く飲む…なんて場面でもよく見かけます。

あまりお酒が強くない人や酔いたくない人は、白ワインを炭酸水で割った『ゲミシュト gemišt』や、赤ワインを普通の水で割った『べヴァンダ Bevanda』またはコーラで割った『バンブス Bambus』という飲み方をすることも。

近年おしゃれなワインバーがたくさんできているので、ワインバーホッピングなども楽しいですよ。

 

 
バンブスは、強いだけが取り柄!みたいな安い赤ワインをやっつける時にはごまかせていいですよ。
でも美味しいワインでやるのはあまりにもったいないので、ちょっとオススメできない…

クロアチアの主要ワインリージョン

クロアチアには、細かく見ると 300 ほどのマイクロリージョンがあり、より大きな区分としては次の 4 つの主要リージョンに分けることができます。

  • クロアチア・アップランド
  • スラヴォニア & ドナウ
  • イストラ & クヴァルネル
  • ダルマチア

 

 
もうちょっと詳しくクロアチアという土地の地理を知りたい場合はこちらもどうぞ
関連記事

  クロアチアは中央〜南東ヨーロッパの国。地中海に突き出す大きな半島、バルカン半島にあります。 クロアチア、世界のここにあります クロアチアと国境を接する国々 イタリア(※アドリア海を挟む)スロヴェニ[…]

 
クロアチアの主要ワインリージョンについてもっと詳しい方はこちらもどうぞ
関連記事

  古代ギリシャ時代からワイン作りが続けられている伝統あるワインリージョン、クロアチア。アドリア海沿岸の島々から始まったクロアチアのワイン作りは、その後ローマ帝国の拡大に伴って現在の国土全域に拡大していきました。  […]

ダルマチア

最新情報をチェックしよう!