クロアチアから世界進出!野菜ベースの万能調味料、ヴェゲタ(Vegeta)

Vegeta

クロアチアから世界進出を果たしている製品の中で、クロアチア国内で絶大な支持を受けているのはもちろん、国外各地でも「これがないと」という不可欠派を多く生み出している製品といえば、野菜ベースの万能調味料、ヴェゲタ(Vegeta)。

今回は、日本でもちょっと見かけるようになってきたこのヴェゲタを取り上げて、詳しくご紹介します!

ヴェゲタとは

ヴェゲタとは、平たく言うとクロアチア発のうま味調味料的なもの。

ただ、純粋な MSG(グルタミン酸ナトリウム)ではなく、成分表を見ると塩 56%、さまざまな乾燥野菜 15.5%、うまみ成分であるグルタミン酸ナトリウムとイノシン酸二ナトリウムが合わせて 15%、残りは砂糖、各種スパイス、コーンスターチ少々、着色料としてリボフラヴィン(ビタミンB2)。

見た目も、乾燥野菜らしきものが多く見えて、味の素などのうま味調味料とはだいぶ雰囲気が違い、いわゆるハーブソルトやステーキソルトの方が近い感じです。

また、近年化学調味料、特に MSG を忌避する風潮が一部に見られるため(※欧米で一時期反 MSG がわーっと盛り上がり、その後再評価されて落ち着いてきているもののまだ反対派も多い)、MSG の入っていないヴェゲタ・ナチュールなど、いくつかのバリエーションが存在します。

ヴェゲタの歴史

ヴェゲタの販売元、Podravka(ポドラヴカ)は、1934 年創業で、今では南東ヨーロッパ最大規模の食品会社の一つとなった歴史ある企業です。

お膝元は北クロアチアにあるコプリブニツァ(Koprivnica)。

隣国ハンガリーとの国境まで直線距離で 14 km 弱、ドナウの支流ドラヴァ川近くにある静かな街で、ハンガリー王国&ハプスブルグ帝国下で貿易および軍事上の要所として発展してきた歴史を持っています。

近くにあるヴァラジュディンと共に、国立大学(Sveučilište Sjever、『北部大学』的な呼称)のキャンパスを擁する由緒ある大学街としても知られています。

ただ、この街に最大の成長をもたらしたのは、ポドラヴカの世界的な成功!

もともと果物の生産・加工業として始まったポドラヴカ、1949 年のジャムの製造を皮切りに、ケチャップやマスタードなどのコンディメント、各種缶詰、粉末スープやブイヨンなどの製造を手がけるようになっていきました。

そしてヴェゲタが生まれたのは 1959 年、開発したのは粉末スープの開発を担当していたチームの女性科学者、ズラタ・バルトル(Zlata Bartl)さん。

バルトルさんはヴェゲタの開発以外でも大活躍。優れた功績でさまざまな賞を受賞し、クロアチア政府からも『明けの明星勲章(Red Danice hrvatske)』が授与されているよ

ヴェゲタはあっという間に人気商品となり、1959 年の販売開始からわずか 8 年後には国外への輸出も始まり、その後のポドラヴカの快進撃の基礎となっていきました。

 
ちなみにこの時の輸出先はハンガリーとロシアなんですが、当時日本の味の素が海外を席巻していた時期でもあるからなのか、なぜかこの時のヴェゲタの輸出用缶、着物着た日本っぽい女性がにっこりしてるデザインなんですよねー…
 
なんでなんだろう?
クロアチア国内向けは恰幅いい料理人っぽいおじさんなのに…

現在では東ヨーロッパを中心に世界 40 ケ国で販売されていて、オリジナル万能調味料ヴェゲタだけでなく、ヴェゲタブランドのスパイス、乾燥ハーブ、各種ミックススパイス(バーガースパイス、ステーキスパイス、チキンスパイス、サラダ用スパイスなどなど)も人気を博しています。

ヴェゲタの使い方

すごく簡単に言うと、ヴェゲタは何にでも使える万能調味料なので、何にでも使えますし、実際何にでも使われています。

 
クロアチアの多くの家庭で、本当にびっくりするぐらい何にでもヴェゲタ入れます
 
肉、魚、野菜なんでも OK。グリルもソテーも煮込みも蒸し焼きも、全部まとめて何でもこい!

これを日本で使うのであれば…

  • ステーキやお魚のソテーなど:塩胡椒感覚で両面に振ってから焼く
  • 野菜炒め系の料理:仕上げにちょっと振りかけて味を整える
  • ポテサラ&カボチャサラダ系のもの:塩を減らしてその分ヴェゲタを入れる
  • シチュー、カレー、スープ系の料理:最後に味を整える場面で追加、深みをプラス
  • 唐揚げ&フライなど:衣に混ぜて揚げる
  • フライドポテト&オニオン:衣に混ぜてつけるか、揚げたてアツアツの状態でシーズニングとして振りかける
  • ピザやチーズトーストなど:ちょっとヴェゲタを振ってから焼く(または温める)
  • トマトソース、ミートソース:コクが足りないな、と思った時にヴェゲタ投入

…といった使い方が便利なのではないでしょうか。

基本的に、うま味や香りを足す調味料なので、「なんとなく味がぼんやりして今ひとつ物足りない」「なんだか味が決まらない」…という時にたりないコクを足すために使う、と思うとわかりやすいです。

 
なお成分的に半分くらい塩なので、塩分の摂取量が気になる方は塩気がすでにあるものにのっけて足すのは避けて、むしろ塩を使う代わりにヴェゲタで置き換える、というのがオススメです
 
視点を変えれば、塩と違って半分は塩じゃないので、同量使うなら、結果として塩分摂取量減らせるかも!

そして最後に、これは他のうま味調味料にも共通して言えることなのですが、そもそもしっかりコクと旨味がある料理だと、入れても正直あんまり変化は感じないかもしれない…。

そのためか、クロアチアでもしっかり出汁やストックをとる系の料理自慢の人だと、「ヴェゲタなんか使わなくてもコクと旨味出せるから、自分はヴェゲタいらないよ」なんてちょっと誇らしげに言っていたりします。

日本で買うなら

ヴェゲタは最近日本でも見かけるようになりまして、先日カルディに行ったらカルディにも置いてありました!!

クロアチアと違って、なかなか、近所のスーパーで気軽に…というわけにはいかないにせよ、ネットスーパーなどでも入手できるようになってきているので、検索するとそこそこ見つかるのではないかと。

興味ある…!と思った方、ぜひ世界進出したクロアチアの家庭の味ヴェゲタ、色々なやり方で毎日のご飯にとりいれてみてくださいね。

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