【超楽しい】クロアチアの結婚式

 
結婚式って、世界中にその地域独自の風習や文化があって興味深いものですよね。
クロアチアにも、もちろんユニークな結婚式絡みの習慣がたくさんありますよ!
 
クロアチアやその周辺の地域の結婚式はとても盛大なものが多く、朝から晩まで続くお祭り騒ぎでとっても楽しい〜😆
クロアチア人も、クロアチア在住の外国人も「バルカンの結婚式最高」と口をそろえる結婚式、何がそんなに楽しいのか、結婚式の習慣をご紹介します!
 

クロアチアの結婚式:流れと規模

日本で「結婚式」というと、おおむね…

  1. 挙式
  2. 披露宴
  3. 友人や同僚などが参加して一緒に楽しむ二次会

…という流れで進むのが一般的ですよね。
そして一昔前と比べて参加人数は減少傾向にあり、現在は 50 人以下のことが過半数で、50 人を超える規模だと「盛大だなあ」という印象になることも多いのではないでしょうか。

これがクロアチアでは…

  1. 花婿のお家集合&一盛り上がり
  2. 花嫁のお家に移動、ちょっとしたイベント発生
  3. 教会に移動して挙式
  4. 夜通しパーティー

…という流れが一般的。

そして、人数は 50 人だとかなり少なめで、100 〜 200 名も割と普通。
300 人以上集まる式でも「へぇ、結構来るねー!」くらいの受け止め方になる程度なので、日本に比べてかなり気合が入っていると言えるでしょう。

 
一般的には、両家の家族と親戚だけで 100 くらいすぐ行っちゃう感じですね〜
 
ちなみにクロアチアでは、成人後も結婚するまで親と同居するのが一般的。
Eurostat の 2020 年のデータによると、18 歳〜 34 歳の約 8 割が親と同居していて、ヨーロッパで最も親との同居率が高いんです
 
 
 
親と同居していて親戚の行事にくっついていく率も高い上、相続税や固定資産税もないため、代々地元にずっと住む率も高い → 周りまたは地元が親戚だらけというケースがとても多いです。
そりゃ結婚式にもいっぱい親戚呼びますね!!というパターン

また、日本だと親、親戚(※同世代、仲がいいケース除く)は二次会は参加しないことが多いですが、クロアチアだと親世代も子供達も一緒に夜通し踊り明かします!
※お年寄りや子供が疲れちゃったらもちろん途中で帰ります

 
ちなみに『夜通し』は文字通り夜通しなので、基本的に解散は翌朝です
 
しかも「翌日未明」などではなく、「そろそろ空も明るくなってきたねー」という時間、要するに本当に朝までどんちゃん騒ぎ

挙式前イベント 1:花婿のお家編

クロアチアの結婚式は、花嫁、花婿それぞれのお家に、それぞれの家族や親しい友人・親戚が集結するところから始まります。

花婿のお家に集まったら、まず伝統的な蒸留酒ラキヤなどで祝杯をあげ、『タンブラシ』と呼ばれる伝統音楽のバンドなども呼んで盛り上がります。
タンブラシは『タンブリツァ』という、マンドリンの首を引き伸ばしたような弦楽器、アコーディオン、トランペットなどで構成されるバンドで、相当にぎやか。

 
にぎやかというか、日本だったら即通報レベルの音量
 
ドゥブロヴニクあたりだと空砲を撃ったりもしますしね〜。
週末に歌声、笑い声、楽しそうな叫び声&銃声がすると「あー誰か地元の子が結婚してるなー」と皆ニッコリ
 
なお、南のダルマチア地方では、タンブラシではなくクラパ(男性のアカペラ合唱団)を招く方が一般的かもしれません!

お酒も音楽も食べ物もあって、お祝いムードに満ち溢れますが、先はまだまだ長いので、ここでラキヤを飲みすぎると後で後悔します。

また、ダルマチア地方では、子供が生まれた時、その年の伝統的なデザートワイン、プロシェック(Prošek)を入手してとっておき、結婚式であける習慣があったので、もしかすると超貴重な年代物のプロシェックを味わうこともできるかもしれません!

重要人物:バリャクタル(旗手)登場

クロアチアの結婚式に欠かせない重要人物といえば、今日一日クロアチアの国旗を掲げ、全ての移動を先導する旗手、バリャクタル。

通常、新郎と仲の良い友だちや兄弟などが旗手を担うことが多いです。
力もいるし、先頭に立って盛り上げ役も果たすので、体力ある人が選ばれがち!

なお、バリャクタルとは別に、グルームズメンとベストマン(※クロアチア語では『Kum クン』)、ブライズメイドとメイド・オブ・オナー(※クロアチア語で『Kuma クマ』)もいて、一日、新郎新婦をアシストします。

挙式前イベント 2:花嫁お迎えチャレンジ

数時間の歓談で気合を充填した花婿グループは、花嫁を迎えるために花嫁のお家へ。

しかし、花嫁のご家族からしたら、この日まで手塩にかけ、大事に育てた愛娘をあっさり手放し、花婿に引き渡すなんてできるわけがない!!

…ということで、ここから、花婿に様々な課題が出され、これを乗り越えないとうちの娘はやれん!というチャレンジイベント突入です。

「娘さんをください」「うーんどうしよっかなー ただじゃやれないなー」などという会話から始まり、持参金を出せだのこのゲームに挑戦しろだの内容は様々ですが、和気あいあいと押し問答が行われ、どうにかご家族、特にお父さんを納得させるため、花婿とその取り巻きは色々頑張らなくてはなりません。

続くお約束:花嫁(偽物)登場

課題をクリアし、やっと「しょうがない、娘はやろう」となっても安心はできません。
大事な娘を手放したくない花嫁ご家族の最後の悪あがきで、まず偽物が送り込まれてくるからです!

 
偽物として送り込まれてくるのは、人形だったり、おばあちゃんだったり、または花嫁さんのご兄弟、または親戚男子だったりと様々
 
冷静に見るとドン引きできるレベルの茶番ですが、皆この時点までに程よく飲んであったまっている状態なので実際はめちゃくちゃ盛り上がる瞬間となります

この最大の難関、偽物の花嫁を見破って初めて、やっと美しく着飾った花嫁さん登場となります☺️

この時点ですでに皆さんだいぶ盛り上がっている状態にはなっていますが、ここでもやはりお酒や軽食が振る舞われます。

挙式:ここだけは厳かに…

国民の 90 % 以上がカトリックで、しかもかなり敬虔な信徒の多いクロアチア。
結婚の誓いは花嫁さんの教会で行われるのが一般的です。

 
教会にも、ちょっと氏子・氏神の関係というか、「自分の属する地元の教会」のようなものがあります。
 
これは地方によって多少違いがあるかもしれませんが、ドゥブロヴニクの友達の話によると、基本的に自分が洗礼を受けた教会が「自分の教会」という認識だそうです
 

教会での儀式は通常 30 〜 40 分程度。
神様の前で結婚の誓いを交わし、その証として指輪交換を行って…という流れは、日本でもおなじみの流れとほぼ同じです。

 
ちなみに、挙式する教会が長い階段の上にあるような場合、花婿が花嫁をお姫様抱っこして階段を登りきる課題が課されるパターンも見かけます
 
これが伝統となっている場所では、落っことさずに一番上まで運べると、幸せな結婚生活が続くと言われています。
要するにゲン担ぎですね!

挙式後イベント:パーティータイム!!

挙式が終わると全員でパーティー会場へ移動し、朝までパーティーが始まります。

 
移動の車はわかりやすく飾り立てられ、上述のバリャクタル(旗手)の車に先導されて進みます。
日本だと怒られると思いますが、バリャクタルは車の窓からクロアチアの国旗を掲げたままの移動になります!
 
移動中、結婚式参列者一同の車はもちろん、この一団を見て「お、結婚式やってるな!」と思ってお祝いしてくれる通りすがりの車などもクラクション鳴らしまくり!

パーティタイム その 1:ゲーム & ディナー

ここから夜通し行われるパーティは、人数が多いのもあり、日本で言うホテルの宴会場や、イベントホールやクラブのような場所が選ばれることが多いです。
プロフェッショナルな司会だったり DJ だったりが呼ばれていることもよくあります。

 
日本の披露宴でよく見る挨拶やスピーチはないか、あっても短い乾杯の音頭くらい
 
その代わり、パーティの最初に新郎・新婦、そしてクン(ベストマン)とクマ(メイド・オブ・オナー)によるダンスが行われるのが伝統!
 
コメントこの最初のダンス、プルヴィ・プレス(Prvi Ples)のあと、踊りたい人がどんどんダンスフロアに出て踊るところからパーティがスタートします

挙式後のパーティでは、日本の結婚式の二次会にも似た様々なゲームが行われます。

ゲームは皆で参加できるものだったり、新郎・新婦の友人によるものだったり、グルームズメンとブライズメイドによるものだったり様々。

日本であまり見ないものとしては、新郎新婦がその後の家庭生活でどちらが主導権を握るかを賭けて行うタイプのゲーム!
クイズだったり、なにかの競争だったり形は様々ですが、親しい人々皆が見守る中での主導権を賭けた争いなので割と盛り上がりがち。

また、ゲームの進行と同時に、ディナーの提供も始まります。
さらに、ゲームの合間合間にちょこちょこダンスもはさまってきます。

 
ディナーは通常コースディナーになっていて、前菜、スープ、お魚、お肉、デザート&ウェディングケーキとコーヒー…と進んでいきます
 
ただし!
ここで一旦デザートまで行ったからと言って安心できないのがクロアチアの結婚式!!!

パーティータイム その 2:新婦とのダンス

ここまで来る間にもだいぶ踊りは挟まって来ていますが、真夜中になると新婦と男性ゲスト(希望者)が一人ずつ踊る瞬間を持てる特別な時間がやってきます。

ここでちょっと面白いのが、新婦と踊る権利がお買い上げ制になっていること。
メイド・オブ・オナーがバスケットを持って待機していて、そこにお金を入れると新婦とのダンス権が獲得できます。

 
ちなみに、どれだけ長く踊れるかは金額によりけりだったりします
 
メイド・オブ・オナーが金額をチェックして、どれだけ踊れるかジャッジします!
遊び心を持ったジャッジが行われて、皆で大笑いしながら見守る楽しい瞬間です

パーティータイム その 3:夜通し踊ろう!& なぜかディナー再開

真夜中をすぎると、ゲームよりも踊りの方により力が入ってきます。
もちろん疲れて見てるだけの人もちらほら出てきますし、子どものいる家庭や年配の方々などはするするーっと帰っていきますが、それでも割と幅広い年代の方が最後までしっかり楽しんでいきます。

なお、踊りは伝統的なクロアチア音楽から世界で流行ったダンス系音楽まで幅広く、特に上手である必要もなく、皆で楽しめればそれが最高!

 
真夜中をすぎる時間帯になると、女性陣はいつの間にかそれまでのものすごいハイヒールからおしゃれなフラットシューズに履き替えていることが多い
 
さすがに朝までピンヒールで踊るのはキツイですからね。
最後までいる方はだいたい楽だけどおしゃれな靴も用意してきている事が多いのです

また、一度デザートまで行ったはずなのに、なぜかここでもう一度肉料理がどかんと出てきます。
そして締めに出てくるのが深夜(早朝?) 3 時か 4 時くらいのグーラッシュ(※北の方の締め。パプリカベースの肉入りシチューのようなもの)、またはペカ(※南の方の締め。炭火オーブンで蒸し焼きにした肉かタコの料理)。

 
平たく言って、一人の人間が 24 時間で食べられる量を遥かに超える量の食べ物が出てくると思って間違いない
 
この 1 日を通して、基本的にお酒も飲み放題状態ですが、乱れる酔っぱらいはマナー違反なので、テンション上がって幸せだけどいつでもしっかり踊れる程度の酔い加減をキープするのが大事です!
 
クロアチアでは赤ワインの水割り(ベヴァンダ)、白ワインの炭酸水割(ゲミシュト)もよくある飲み方なので、お酒強くない方は早めに水割り開始するとよいです
 

さて、このように 1 日がかりを越えて翌日にもつれこむ、または場合によっては挙式前のイベントを前日に行い、トータルで見ると 3 日に渡ってお祭り騒ぎが続くクロアチアの結婚式。
もし、クロアチアの友人の結婚式に招かれる機会があったら、ぜひ皆さんも体調をしっかり整えて、ヨーロピアンな一張羅を来ておめかしして、踊りやすい靴も準備して、お腹はすかせた状態で、参加して思いっきり楽しんできてくださいね!

YouTube でクロアチアの結婚式動画公開中!

 
2022 年 9 月に、クロアチア出身の友人がクロアチアで結婚式をあげました!
動画撮ってシェアしていいよ、というお許しを頂いたので、ご厚意に甘えさせていただき、その時の様子を YouTube で公開中です。
 
エイミー、サシャありがとう & ご結婚本当におめでとうございます!!
 
お二人も YouTube チャンネル運営していらっしゃり、日本での生活をユニークな視点で世界に発信してくれているので、よかったらそちらのチャンネルもチェックしてみてくださいね!

 

Unik Japan Life: https://www.youtube.com/@uniquejapanlife3676
Unik Japan Drive: https://www.youtube.com/@uniquejapandrive8171

 

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